J Eyewear Lab × MINOTAUR INST. 「世の中になかった快適なものを作っていく」

 中屋光晴-Mitsuharu Nakaya-
株式会社JINS JEL事業グループ ディレクター
アパレルベンチャー企業にて複数のブランド創業に携わり、2014年株式会社ジェイアイエヌに入社。商品企画MD、マーケティングマネージャーを歴任して現職に至る

「JINSとはちょっと違う付加価値で提供していく」

──今回J Eyewear LabがMINOTAUR INST.と共同出店に至った経緯を教えてください。

『J Eyewear Lab』はJINSという会社の中にありますが、独立したブランドとして活動しています。JINSとはちょっと違う付加価値で提供していこうという目的を持って生まれたブランドで、創業して2年目に『Neuron4D』というプロダクトを立ち上げました。その時に『J Eyewear Lab』をもっと世の中に広げなければと思い、共有パートナーを探していたんです。その中でいろいろなご縁とタイミングが重なって、『テクノロジーを生かした身にまとうもの』という領域の先駆者であるMINOTAUR INST.の泉(栄一)さんにアドバイザーという形で参加してもらうことになりました。

もともとJINSと泉さんは繋がりがあったので、今回の出店に関してはその流れの中で生まれました。僕たちがアイウェアでやろうとしていることと、泉さんがアパレルでやろうとしていることはかなり近いと思っています。我々がアイウェアを、泉さんがアパレルを作ることによって全身のスタイル提案が可能になる。それを口で説明するだけでなく、そういった場を設けることが非常に重要だと思い今回の出店に至りました。

──今回はポップアップではなく共同出店です。一緒にやる上で難しさもあると思いますが、ある意味、実験場のような感じでしょうか?

そうですね。僕たちは『Lab』と呼んでいますし、MINOTAURは『INST』と言っています。実験することで今まで世の中になかった快適なものを作っていこう、というところでMINOTAURとは目指すところが一致しているので、ポップアップのような短期的な関係ではなく、長期に渡って一緒に作り上げていきたい。それをアウトプットする場に出店という形が良いと思いました。

──MINOTAURとは目指す方向性が近いとのことですが、より具体的に教えてください。

僕たちはテクノロジーを使って快適なアイウェアを作ることを目指しています。しかし、快適という部分にただファンクショナルなものをということではなくて、カルチャーだったり、自分のファッション的な発言や主張だったり、そういった部分が身にまとうものには非常に重要になるんじゃないかなと。逆に言うと、それがないと快適ではないと思っています。

僕らのデザイン思想は、『都市生活に馴染むミニマリズム』を目指しています。アイウェアは顔に長時間長期間かけるものなので、顔を引き立てるものでないといけない。それは必然的にシンプルなフォルムであるべきだと考えています。シンプルな中に機能やディティールの美しさを内包していくことは、デザインを加飾していくより難しいです。それでも挑戦し前例のないことを成果として出し続ける。僭越ではありますがそういった部分をMINOTAURにも感じます。MINOTAURはストリートカルチャーと時代の空気を取り入れていくと表明されていますが、我々もこの場所で空気を感じながらユニークかつコアなアイテムを提案していきたいです。

「着心地や締め付け具合は実際にかけて比べてみないと分からない」

──MINOTAURと一緒にやることで、そういった表現をよりしやすくなったということはありますか?

ありますね。メガネだけだと小さいプロダクトなのでディティールに寄ってきてしまうところがありますが、全身でスタイルを作れるというのはやっぱり表現の幅という意味ですごく互いに利があると思います。

──先ほど『実験』という言葉が出ました。今後はどのようなことを行っていくのでしょうか?

世の中に物が溢れてコモディティ化していく昨今、差別化された本物のプロダクトが求められていると感じています。Jはアイウェアの快適さを追求し様々なアウトプットを生み出したいと思っています。プロダクトを創り、それをエビデンスで実証し可視化して伝える。今も一部やっていることですが、例えば着心地を良くすることをエビデンスで証明したり。あとは、放熱性がすごく良い構造をサーモグラフィを使って可視化したり。

それでもオンラインだと表面的な話になる部分があります。実際にメガネをかけてもらうことは店舗でしかできないので、実店舗においては体感してもらうことを軸にやっていきたいです。やっぱり身体で感じることが、非常に重要なポイントだと思うんです。同じようなメガネでも締め付け度が80%も違ったりする商品もありますが、着心地や締め付け具合は実際にかけて比べてみないと分からないことです。

ただ、店舗よりもデジタルの方が利があるものも昨今は出てきていると感じています。そこで注目していることの一つがバーチャルリアリティです。実店舗とオンラインの間にあるバーチャル空間で、僕たち独自のアプローチができればと考えています。J Eyewear Labはこの店舗と六本木にしかないので、それ以外の世界観を体験できる場というのは、リアルよりもデジタルの方が没入感がある空間を作れるのかなと。場所の制約がなくなるので表現の幅がかなり広がり、より多くの方に体験してもらえると思うので、そういう場として活用できればと思いますね。

インタビュー=松山周平